最期の放課後

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振り向かないように。 前だけ向いて、歩いていけるように。 深呼吸して目を開ける。もう、泣いてはいなかった。 ゆっくりと生きを吐きながら廊下を歩く。 名波と幾度となく見た夕焼けが窓の外に広がっている。 あつく儚い、名波とすごした青春が、夕焼けに溶けて消えて行くのを、佐倉は静かに見守った。
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