親愛なる友へ

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親愛なる友へ

 はじめに、私は親友へ謝罪をしたい。  すまない。いや、ごめんね? そうだな、「悪い」。これが1番しっくり来る。  なぜ謝罪をするのか。理由は単純で、親友には一度も見せたことがない顔を見せることになるからだ。親友は優しいからそれを聞いても気にしないと答えるだろう。むしろ、『見せてくれてありがとう』と感謝するかもしれない。  しかし、私の心はそうは行かない。  私の心は――泣きたいという感情は、「親友には絶対見せない」という絶対的な壁が存在している。  別に親友が嫌いなわけでも、信頼が無いわけでもない。ただの意地だ。  その意地を崩すことで、君が私のイメージを壊さないか心配だ。壊れても良いかもしれない。それが『親友』というものだとこんな私でも思うんだ。でも、絶対に見せたくはない。君の前では余裕を持ち、強気で行く人でありたいと願っているからだ。  意地っ張りで弱気を見せない私を、君はゆるしてくれるかい?
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