その後の二人 : 神山透は「待て」のできる犬

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さてその後の結論から言えば、神山透は、ただの「待てができる犬」ではなかった。「待てができる、盛りのついた犬」だった。 物凄い速さで私を組み敷くと「今日の僕は待てのできる忠犬ですから、ご主人様が気持ちよくなるところをご奉仕してあげたいんです」などと言いながら、私を全身隈なく舐め回す。そしてその後は、郁子さん、好き、大好きと言いながら、上になったり下になったりしながら神山透は激しく私を貫いてくるものだから、こちらもそれにつられて思わずあんあん言ってしまう。 そんな訳で、本日もあっという間に高みに連れて行かれてしまう私なのだった。 事後、狭いベッドに密着しながら横たわると、「薄々気がついてはいましたけれど、透さんは私のこととなると、急にポンコツになりますね。」と、声をかけてみる。 すると神山透は叱られて耳と尻尾がシオシオと元気を失った犬みたいにしゅんとしながら、こんな僕はお嫌いですか?と言うものだから、なんだかそれはそれで可愛らしいと思いつつ「いや、まあ、最初からそれを含めて好きなので、別にいいっちゃいいんですけどね?」そう言って頭を撫でてやるのだった。
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