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「あ、いやーまあ、そういう場面に遭遇することもありますよね。」
そんな場面に遭遇することなんて、滅多にねーよ!とは思いながらも一応フォローをしてみる私である。
さて、先程の給湯室の話題が出たことなので、酔いの力も借りて紺野洋子との話でもぶっこんでみようか。
やっぱりなんだかんだで、他人の恋バナって気になるもんね。
「彼女とはおつきあいが長いんですか?」
「うーん、かれこれ3ヶ月位ですかね」
「どちらから告白されたんですか?」
「仕事のサポートしてもらったりしているうちに、一緒に仕事帰りに食事に行くようになって……何となくそんな感じになったってところですかね?」
おーぅ、なんて曖昧な。
最近の交際事情ってそんなもんなの?
学生時代ならともかく、こちとら全然浮いた話もないものだから、会社の同僚と仕事中どのタイミングで「何となく付き合う空気」になるのか全然わからない。
自分とはなにか違う生き物なのだと再認識させられながら、いよいよ好奇心丸出しの質問を続けてみる。
「彼女のことは大好きなんですか?」
するとイケメン、困った表情で暫く押し黙り。
「うーーーーーん。まあ、お付き合いをしている以上は、大切にしてきたつもりではいましたけれどね」
−まさか陰であんなこと言われているとは、思いませんでした−
そう、聞こえた気がした。
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