ルームナンバー315

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「あ、いやーまあ、そういう場面に遭遇することもありますよね。」 そんな場面に遭遇することなんて、滅多にねーよ!とは思いながらも一応フォローをしてみる私である。 さて、先程の給湯室の話題が出たことなので、酔いの力も借りて紺野洋子との話でもぶっこんでみようか。 やっぱりなんだかんだで、他人の恋バナって気になるもんね。 「彼女とはおつきあいが長いんですか?」 「うーん、かれこれ3ヶ月位ですかね」 「どちらから告白されたんですか?」 「仕事のサポートしてもらったりしているうちに、一緒に仕事帰りに食事に行くようになって……何となくそんな感じになったってところですかね?」 おーぅ、なんて曖昧な。 最近の交際事情ってそんなもんなの? 学生時代ならともかく、こちとら全然浮いた話もないものだから、会社の同僚と仕事中どのタイミングで「何となく付き合う空気」になるのか全然わからない。 自分とはなにか違う生き物なのだと再認識させられながら、いよいよ好奇心丸出しの質問を続けてみる。 「彼女のことは大好きなんですか?」 するとイケメン、困った表情で暫く押し黙り。 「うーーーーーん。まあ、お付き合いをしている以上は、大切にしてきたつもりではいましたけれどね」 −まさか陰であんなこと言われているとは、思いませんでした− そう、聞こえた気がした。
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