その後の二人 : 神山透は「待て」のできる犬

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「残業を少なくするには……仕事量を減らす?じゃあどうやって?」 ブツブツつぶやく私の背後には「何にもしませんから、郁子さんに触れていてもいいですか?」と抱きついてきて、そのまますっかり専用ソファーと化した神山透。背中に伝わる体温と適度な質感が中々心地良く、上質なソファーにすっぽり体を包まれていると、なんだか作業もはかどるような気がしてくる。 よーしこのまま完成まで頑張るぞ! 意気込む私とはうらはらに神山透ときたら、当初こそ大人しくしていたものの、 「ねぇねぇ郁子さん、考えすぎは体に毒ですよ。ちょっと休んでリフレッシュしましょうよ?」 ものの10分で、もぞもぞ動いてそんな誘惑の言葉をかけてくるのだった。 「だーめ。課題が終わるまではだめですって。ちょっと待っててくださいね。」 なんせまだ1項目も考えついていなのだから。
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