その後の二人 : 神山透は「待て」のできる犬

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完璧な答えがないものを考え出すって、簡単そうで難しい。どう回答するのが一番質問の意図に沿う形になるのか。 ああでもないこうでもないと考えていると、今度は首すじに唇を這わせてくる神山透。 「ねぇねぇ郁子さん。ちょっとだけ、休憩しませんか?」 再度誘惑の言葉を囁きながら、耳たぶを食んでくる。思わずぞわりと感じてしまうが、いかんいかん。まだ課題は完成していないのだ。 「んあっ、透さん、もうちょっと……ですから。もうちょっと、待っててぇ……んっ」 「ちぇーっ。わかりました。じゃあこうやって、待ってますね。早く課題終わるよう応援してますからね。」 神山透は舌でベロリと肌を舐め、チュパっと音を立てて首すじに吸い付いてくる。背後から回されていた手はいつの間にかブラの中に侵入していて、その頂をカリカリ引っ掻いている。 「あっああ、んっ!だめ!だめですってばぁ!!もうちょっと、なんですからぁんっっ」 「やだなあ郁子さん、僕は課題頑張って、って応援しているだけですよ?でもね、気持ちいいんでしたら、いっぱい感じても、いいんですよ?」 神山透の囁きは至って真面目な、優しげな声。が、そんなことを言われたって、こんなのは反則だ。課題頑張れ、なんて囁きながらそんな風に触られてしまったら、一体何を頑張っていいのかわからなくなってしまう。 体はほんの少しの感触まで快楽として拾ってグズグズに蕩けてしまうし、頭はぼうっとなってしまう。 こんなことではもう、もう……
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