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「えーとえーと、あ、そうだ!紺野さん!紺野洋子さんとお付き合いを、まだされてるじゃないですか!やっぱり彼女がいる方がそういうことを仰るのは、一応倫理上よろしくないんじゃないですかね?」
「大丈夫です。ここに来るまでに、取り急ぎメッセンジャーで交際解消したい旨は送っておきましたから。詳細は後で話をするとしても、相手に非がある案件ですから、こちらの言い分はすんなり通りそうなことくらい、山本さんもわかりますよね?」
携帯のメッセンジャーの文面を見せて、ニッコリ笑ってこちらに話し掛ける口調は優しげだが、なんだかとっても圧が強い。あ、この目つき、口調は、完璧に営業モードだコレ。
酒に酔った頭ではこれ以上うまい反論が浮かばない。
そしてその後も神山透は己の考えと私の責務とやらについて等々と発表する。その短時間に考え出されたとは思えない理路整然としたプレゼン内容は耳を傾けるだけで精一杯。
すっかりポンコツになった私の頭で、同じく酔っているとはいえ会社の業績No.1のやり手営業マンの手腕に対抗できるはずもなく。
謎のイケメン理論に翻弄されて、気がつくと「わ、わかりました!やらせていだきますぅ〜」と口にしている私なのであった。
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