ルームナンバー315

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そうして入った315号室は、ラベンダー色に淡く照らされた大きなベッドとソファー、そして事後に寛いでテレビを見られるようにか巨大なスクリーンがある、タバコの匂いがする部屋だった。 「えーと、早速ですけどどうします?」神山透に声を掛けると、「まずはシャワーだとは思いますが、そもそも男女どちらが先に入るものなんでしょう?」と早速生徒から質問が飛ぶ。 うーん。シャワーどっちが先か問題! 地味に悩ましい。乏しいながらも過去の経験を思い出すが、入りたい人が先に入っていたような。……これじゃいまいち説得力がない。 昔の映画なんかのワンシーンを思い起こすと、男性が先で次いで女性に「君も入っておいでよ」とか言ってたような。うん、これだな。 先にイケメンを浴室に誘導し、とりあえずベッドに座って一息つくが、酔っぱらいにはこの布団の柔らかさがたまらない。 ……いかん、眠くなってきた。 数分後、イケメンがバスローブ姿で浴室から戻ってきたので、そそくさと自分も浴室に飛び込み、シャワーを浴びる。 念の為隅々まで綺麗に洗って浴室から出て、バスローブをふわりと羽織る。 さあ、これからどうしよう。 ドキドキしながら寝室に戻ると、目の前に見えるは、ラベンダー色に照らされた、体を丸めて無邪気な顔でスヤスヤ眠るイケメンの姿。 目を何度も擦って確認しても、そこにいるのは薄紫色に染まる、寝ている神山透なのであった。 ……えええええーーー????? 先程までの緊張感が一気にアホらしくなる。 それからしばらく寝顔を覗き込んでいたが、全く起きる気配のない神山透に布団をかけてやると、ゴロリと私もその隣に横になり、とりあえずは寝ることにしたのであった。
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