第2章 ワンコは嫉妬されたい

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 ここは前にテレビでやっていた、体感型アートのイルミネーションで有名なところだ。  木や建物にはもちろんイルミネーションが施されているし、触ると色が変わったり音楽が流れたりするのもある。  いつか柊と来たいなと思っていたのでとても嬉しい。 「……っ美桜ちゃんが可愛い」  今がどうやら柊のツボに入ってしまったらしい。 「でも、どうしてここに来たいこと知ってたんですか?」 「んー……それは内緒。それよりも早く入ろう」  さすがというか、なんというかチケットは既に用意されていて、スムーズに中に入ることができた。  私は柊を引っ張りながら、あっちに行ったりこっちに行ったり……とにかく一通り楽しんで回る。 「社長、見てください。綺麗ですよ〜」 「はぁ……もう、美桜ちゃんが好きすぎてドキドキが止まらない。どうしよう」 「……」  ついに柊が壊れてしまった? でも、とても幸せそうな顔をしているから言っていることは少しおかしいけど、放っておいても大丈夫かな。  はしゃぎながら見て周り、気づいたら入り口に戻ってきていた。 「すいません社長、ちょっと御手洗いに行ってきます」 「うん。僕はあそこで待ってるね」  すぐ近くの見える場所で待っていてくれるらしい。
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