第2章 ワンコは嫉妬されたい

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 理由を聞かないと私の気がすまないし、抱きしめられただけではモヤモヤが取れない。 「来る時の車で、美桜ちゃんがチラチラ盗み見てくるの可愛かったな〜と思ったら思わず……」 「……っ!?」  まさか、そんな理由だとは思わなかった。しかも、盗み見ていたのがバレているとは。気づかれていないと思っていたのに。 「それじゃあ、本当に女の人を見ていたわけじゃないんですね?」 「それは当たり前! ほら、聞いてみて僕の鼓動」  柊は私を胸にぎゅうっと押し付ける。私よりも早くて強い鼓動が聞こえてきた。どうしてこんなにドキドキしているの? 「分かった? 僕は美桜ちゃんとこうしてくっつくだけでもこんなに興奮してしまうんだよ」  少しだけ腕をゆるめて私を離す。そして少し屈んで私と視線を合わせてきた。 「こうやって、触れたいのも……キスしたいのも……」  そう言いながら、私に触れるだけのキスをする。こんな外で恥ずかしいと思う前に、すぐに離される。  見られる以前に、私のことは他の人には見られないように柊が壁になっていた。 「美桜ちゃんしかいないんだよ」  信じてくれる? と私を見つめてくる。そんな熱い視線を向けられて信じられないわけがない。私は小さく頷いてポツリと呟いた。
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