第2章 ワンコは嫉妬されたい

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第2章 ワンコは嫉妬されたい

 ついに明日はクリスマス。今日はイブで、明日どうなるのかと考えてワクワクしながら仕事をしていた。 「美桜ちゃん、顔が緩んでいるわよ」 「はっ……!」  先輩にそう指摘されてしまうほどだ。  どこに行くとか、何をするとかはまだ教えてもらっていない。聞いても楽しみにしててとはぐらかされてしまった。 「今日の仕事終わり。みんなお疲れ〜」  あれ? もうそんな時間?  考え込んでいたら、いつの間にか一日が終わっていたらしい。柊が今日は早く帰りなとみんなを促している。  待ち合わせ時間とかは言われていないけれど、きっと朝から迎えに来てくれるのだろう。私も明日に備えて早く帰ろうとした。 「あ、美桜ちゃんは残ってね。僕これだけ終わらせたら上がるから」 「え?」  デートに行くのは明日ではなかったのだろうか。今日の夜はなにも約束していなかったはず。  私のそんな疑問がわかったのか、柊はニッコリ笑ってこちらを見た。 「明日の休み、暇なんだよね?」  確かに暇だよ。暇だけど、今夜からだとは思っていなかったから何も準備していない。 「明日は暇ですけど……」 「なら問題ないでしょ?」  問題なら大ありだ。私の心の準備ができていない。
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