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「それに、俺の彼女でいる資格なんて要らねぇんだよ。俺がお前を選んだんだ。俺の隣は瑠花しか要らねぇんだよ。分かったか?」
少しでも疑ってしまった自分が恥ずかしい。雅紀が真っ直ぐ気持ちを伝えてくれるとは思っていなかった。
私は本気で言われて、再び顔が熱を集めていくのを感じる。いくら私でも、この言葉が嘘ではないことは分かっていた。
そんな私を見て、ふっと気を抜いて笑った雅紀。
ありがとうと言うのも違う気がするし、よろしくお願いしますと言うのも恥ずかしい。
なんて答えようか迷っている私の頬に雅紀の手が触れた。優しく包み込む温かい手に、思わずぎゅっと目をつぶってしまう。
「俺からもっと愛される覚悟しとけよ?」
その言葉の直後、そっと触れるだけのキスをされた。だけど、一瞬で離れたと思った唇はすぐにまた貪るように食いついてくる。
「……んっ」
甘く漏れてしまう吐息を抑えられない。
「この可愛い声も、仕草も……全て俺だけのモノだろ?」
覚悟しとけと言われた言葉の通り、甘い刺激が身体中を支配する。
「瑠花――愛してる」
「んっ……私も……」
これからは自信を持って隣に立てるように、雅紀の気持ちを……滝のように溢れてくるその想いを一晩中受け止め続けた。
――Fin
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