131人が本棚に入れています
本棚に追加
前日の夜作って、イブの日仕事が終わったら渡す――、少し大変だけどそれなら用意できるかもしれない。
物にするのは迷うし、すぐ決められないだろうから……。それに、雅紀の欲しいものってなんだろう。私はチラリと雅紀のいる方をパソコン越しに見てみる。
「へぇー、愛されてるんですね」
「そうなんだよ! お前は彼女とラブラブするんだろ?」
雅紀はものすごく棒読みなのに、上司はそんなこと全く気にしていない様子で話している。
そしてその返事、私もすごく気になる。
普通カップルなら、先月くらいから誘っておいてくれてもいいと思わない? なのに、そんな気配全くないままここまで来てしまった。
いい加減、誘ってくれてもいいのに全く何も言わないのだから……。
私だって期待してずっと前から予定をあけているけれど、自分からクリスマス一緒に過ごそうと誘うのは、結構な勇気がいる。だから待っていたのに――。
「はぁ……そんな相手俺にはいないので。クリスマスは帰ってひとりで飲む予定です」
そもそも、一緒に過ごすという考えが雅紀にはなかったらしい。
ひとりで飲むなんて、私を誘うという考えはないのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!