第2章 誘惑はいっぱい

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 クリスマス前だから相手を作ろうと必死な非リアの人達は、目星をつけていた相手に告白している。  そして運がいいのか悪いのか、私はそれを度々目撃していた。  その組み合わせは様々だけれど、今回はなんと告白されているのは雅紀だった。  盗み聞きは良くないと思いながらも、ついもの陰に隠れて聞いてしまう。しかも、その声の持ち主はあの子だ。  変にドキドキしてしまうのはどうしてだろう。雅紀を信用していない訳ではないけれど、あんなに可愛い子が告白してきて断る人なんてそうそういない。私がもし男だったら、即オッケーするだろう。 「この間話しているのを聞いてしまったんです。私のこと狙ってるって――だから、私にもチャンスかなと思ったんです」 「この間……? あぁ、あの時の」  私に聞こえていたように、あの時の会話は彼女にも聞こえていたのだろう。あれだけ声が大きかったのだから、たぶん他の人にも聞こえている。 「あれは――」  私は雅紀の返事を聞くのが怖くて、その場から逃げ出した。もし、いい返事をしてしまったら? そんなマイナスな考えが頭をよぎる。
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