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茉依は応援してくれるかもしれないけれど、他の人は違うだろう。
ドキドキと速まる鼓動が鳴り止まない。
「まぁ、そうだよね……」
「茉依は? クリスマス彼氏と過ごすの?」
たしか茉依にはラブラブな彼氏がいたはず。だから、てっきりウキウキしているものだと思ったのに、その雰囲気はものすごくどんよりしていた。
「はぁ……あんなやつ、こっちから願い下げよ!」
つい先日まで、デートの話や彼との惚気話を聞かされていたのに、一体何があったのだろうか。
「喧嘩でもしたの?」
「……あいつ……浮気してた」
「はっ!?」
あの、いつでも茉依が大好きで、命よりも大事と言っていた彼が浮気?
「そう。だからこっちからふってやったわ」
茉依は、思い出しただけでもイライラしてくると感情を爆発させていた。それなら尚更、私に実は彼氏がいてクリスマスの予定が入るかもなんて言えるはずがない。
それなのに、タイミングが良いのか悪いのかちょうど雅紀がその場を通りかかった。
「なんだ? 鳩原荒れてんな」
「あっ、夏目! いい所に、聞いてくれる〜?」
職場だと言うことも忘れて、愚痴を始めそうになる茉依。私たち同期三人は仲が良くて距離も結構近い。
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