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家主の私を差し置いて、ズカズカと部屋に入り小さなコタツに入った。そして、私を呼び後ろから抱きしめるような感じで座らせた。
引っ張られて一瞬だったけれど、何が起こったの?
一緒にコタツに入っているのはいいけれど、何故ここに? 私は後ろからギュッと抱きしめられて身体が固まっている。
「はぁ……あったけぇ」
その息が耳にかかり、背中にゾクゾクした感覚が走る。感じる甘い感覚に声が出そうになるのを抑える。
「あれ? お前耳まで真っ赤だけど大丈夫か? 具合悪い?」
「……っ誰のせいだと――」
そして、余計に近くなるのやめて欲しい。それよりも私はどうして今日来たのかを聞きたいのだから。
「ねぇ、なんで来たの?」
「なんでって……、お前今日なんの日か忘れたのか?」
当たり前のようにそう言ってくる。ここ最近の話題なのだから、知らないはずがないのに。私が言ってるのはそういうことじゃない。
来てくれて嬉しいと思っているはずなのに、可愛げもなく強がってしまう。
「あの子と過ごさなくていいの?」
私の言葉に、今度は雅紀が固まった。
「お、お前……あの時の聞いてたのか!?」
私は告白だとは言ってないのに、雅紀にはなんのことか分かったみたいだった。
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