もう少しだけ〜信号機〜

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もう少しだけ〜信号機〜

「よし!走れば間に合う!」 20時にバイトを終え、帰りのバスにぎりぎり間に合いそうと、私はバス停まで小走りで向かっていた。横断歩道を渡った先にバス停が見えてきて、間に合ったと安堵しているとブロロロロと乗る予定のバスが横を通り過ぎた。 「あれに乗りたい!信号間に合うかな!?ここの信号変わるのが早いから……!」 ちょうど、歩行者信号も青の表示で急いで渡ろうとした時、パトカーのサイレンが近づいてきたと思うと猛スピードで信号無視をして逃げる車が目の前を通った。 「緊急車両が通ります!」 と、すぐ後ろからパトカーが追いかけていてスピーカーから声が響き渡る。 一瞬、その場は騒然としていたが竜巻のように去っていきいつもの町に戻った。 「こわっ」と思いながら横断歩道を渡ろうとするとプップと軽くクラクションを鳴らされた。歩行者信号は既に赤に変わっていた。慌てて歩道に戻り、車の人にすみませんのポーズをする。 「あーもう、バス行っちゃうじゃん。あともう少しだけこの信号が長かったらいいのに。早いんだよ赤になるのが!」 と、次のバスが来るまで近くのコンビニにで時間を潰すことにした。
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