もう少しだけ〜救急車〜

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もう少しだけ〜救急車〜

ピーポーピーポー サイレンを鳴らしながら救急車は病院に向かう。俺は救急隊員として患者の処置をしていた。 「もう少しで病院に着きますからね!」 「あなた!もう少しで病院ですって!もう少しだけ頑張って!」 患者は中年の男性。付き添いは奥さん。医者ではないから診断はできないけど、状況や症状からみて急性虫垂炎っぽいな。と思いながらいると運転席の方から「うわっ!」 と声がしたと同時に救急車の横をすれすれで猛スピードの車が走り去って行った。その後をパトカーが追いかける。 「危ない!」 「危なっ!」 「危ないわねー!」 と、痛みで唸っているご主人以外の声が綺麗にハモった。 病院に着くまでの間、ご主人を励まし合いながらも先程の暴走車の話題度々出た。 「万が一救急車が事故してしまったらどうなるんですか?」 と、奥さんから質問が来た。 「事故の状況にもよりますが、基本的にはその場で待機して他の救急隊の到着を待ちます。事故処理や事後対応もありますし。しかし、搬送中の患者さんが重篤な場合はそうもいきませんから、車が動けばその場に1名の隊員をを残して搬送を継続します。けれど、その時の状況や事故の程度、患者さんの状態によっても対応は変わってきます」 「なるほど。そうなんですね。あ!あなた!病院見えてきたわよ!もう大丈夫よ!」
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