もう少しだけ〜総合病院〜

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もう少しだけ〜総合病院〜

ピーポーピーポー 「救急車の音が聴こえるね」 「総合病院だからな」 「おじいちゃんの手術も日程が決まって安心したわ」 「先生の話だと手術時間もそんなにかからないみたいだな」 私と旦那はお義父さんが入院している病院内のコンビニで夕飯を買い、テーブルに座って食べていた。 「しかし、最近の病院の売店もコンビニになったんだな。昔は診療時間が終わると閉店していたのに、今は24時間だ」 「便利になったわね」 「あ、そういえば唐揚げも売っていたな。帰ってからのビールのつまみに買って帰ろう」 と、旦那は食べ終わった弁当を片付けながら言った。 「今の時間売り切れてないかしら?」 私も食べ終わり、2人で再びコンビニへ入る。 「すみません、からあげのオリジナル味をください」 と、旦那が言うと 「すみません、今から揚げるので少しだけお待ち頂いてもいいですか?」 と、店員が申し訳なさそうに言ってきた。 「大丈夫です。すみません、わざわざ。ありがとうございます」 からあげを買って外に出ると、タクシー乗り場でお婆さんが警備員の人と話していた。 「タクシーに乗りたいんだけど、タクシーがいなくてねぇ」 「今みんな出払っていますね。電話して呼びますのでもう少しだけお待ちください」 と言って警備員室から電話をしていた。 「なんかもうホテルみたいね」 「患者『様』だな」 「さっき貰った病院の利用アンケートは高評価にしましょう」 「サービスはいいけどね。ドクターの腕ももう少しだけ観察しよう」 「そうね、ここは『病院』なんだからね」
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