ープロローグー

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ープロローグー

「ちょっと。」 物凄い形相で振り向かれた。こえー。何だよ、その顔は。 「毎回蹴るのやめてくれる?」 足を投げ出したら、ガンと前の席に当たった。あ、わりぃ、と謝ろうとした矢先だった。 「何よ?」 「いや…名前何だっけ?」 「はあ?あんた入学式から10日も経ってまだ覚えてないの?」 「じゃあ、俺の名前は?」 と問えば、 「上郡(かみごおり)(そら)でしょ?中学の時からバレーやってて、身長は185、ポジションはレフト。そこにいる山野辺(やまのべ)君とは小学校からずっと一緒でコンビを組んでる。勿論ここでもバレー部に入る気満々。」 「凄いな、さすがサリー。」 呆気にとられている俺を後目(しりめ)に、(けん)が拍手なんてしやがる。 「サリー?」 首を傾げていると、般若は、 「夢野(ゆめの)理沙子(りさこ)。あだ名は名字と名前両方からきてる。身長は160、部活は硬式テニス。小学校から一緒の子はここにはいない。以上。」 そう言うだけ言って前に向き直った。ショートヘアですら揺らぐような勢いで。 はあ?何でいきなり怒ってんだ?しかもせかせかしてるし。変なヤツ。
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