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第二章 夢のような日
「よぉし! 今日は復活祝い! 小旅行行こう!」
部屋の中に夏樹の声が響き渡る。
頬は乾いていてもう涙の跡は見えない。その顔は満面の笑みを浮かべている。
そんな彼をやんわりとした笑みで椿と海美が見守る中、彼はおもむろにポケットからスマートフォンを取り出し、目の前で車椅子に座っている椿に差し出した。
「今日は椿が主役だ。お前が決めてくれ」
目を細め、白い歯を見せる。
椿も口角を持ち上げてそれを受け取った。
スマートフォンを触ること数分後。
椿は小さく頷いて、
「そうね……じゃあ、これとかどうかしら?」
とその画面を提示した。
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