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知らない土地で暮らして三年、そこを離れることに決めた。
苦難と挫折の毎日に心身は限界だった。価値観がまるで違う人間ばかり職場で、自分などは期待も歓迎もされていなかったことを……やっと認めることができた。
そういえば、ここは雪国だと何度も耳にしたのに、都心と変わらなかったな……そんなことをぼんやり思った最後の冬、私がいつも仕事場へと向かうバスが何日も動かないような雪にみまわれた。
「もう少しだけ……」
ここを離れるのが少しだけつらくなった。この地を象徴するかのような雪だけは、私を引き止めてくれた。
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