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エレベーターが1階から2階に上がる。あれ? 1階分だけだったら階段でもよかったかな。エレベーターのドアが開いて目の前に見覚えのある顔が現れた。カラオケ店員の彼は、私に声をかけてくれた。
「また会えてよかった。もうあと少しで、シフトの時間が終わるんです。だから外で、ほんもののコーヒーでも飲んでみませんか? そしてよかったら、よかったらですけど、僕の歌をもう少しだけ聴いてくれたら、嬉しいなって。
ああ、バーチャルの中ではなく、現実でって意味です。」
おしまい
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