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空のコップを握りしめながらドアを開けると、店員が語りかけてきた。
「ああ、コップはこちらで預かります。もうお帰りですか? 201号室は先ほど延長の連絡を受けたのですが。」
「私は先に帰ります。料金は連れが払いますので。」
「かしこまりました。お気をつけてお帰りください。」
エレベーターに乗り込もうとした瞬間、彼の寂しそうな歌声が聴こえた。
エレベーターを10階ほど降りていくと、壁はガラス越しになる。そしてそこにはバーチャルではないもとの世界が広がっていた。
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