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それはたわいのない言葉でも良かった。
ただ来てくれてありがとうだけでも良かったのだ。
会計を終える少し前に男友達のグループがほぐれて皆んなバラバラに帰って行くのが見えた。
恵美子は焦って店を大急ぎで出てみたが、もう洋次郎の姿はなかった。
どちらに行ったかわからなかった。
七海が何と言ったって、洋ちゃんに話しかければ良かったと後悔しながら駅まで歩いていた。
別に洋次郎とどうにかなりたいわけではない。ただ少しだけふたりだけで話がしたかっただけだった。
「元気?」
「おー、元気だよ。恵美子も元気でやってたか?」
「うん」
「それなら良かったよ」
「今日は来てくれてありがとうね」
「幹事、ご苦労さん」
そんな会話で良かったのだ。
ただ、少しだけでいいからふたりだけで話したかった。
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