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「ただいま」
「おかえりー、ママ!」
玄関に入ると紬が出迎えてくれた。
そう、我が子は今日学校を休んだのだ。
元気がないから無理に行かせるのはどうかと思い、自分の姉である京佳に相談したところ、子守りに行くわよ! と申し出てくれたので助かった。
「おかえりなさい。大変だったわね。話できた? どうだった?」
京佳は、早くに結婚をして子供も大きくなったので夫婦二人だけでのんびりと近くに暮らしている。たまにこうやって頼る時があるんだけれども、嫌な顔を一切せずに助けてくれる。貴重な存在だ。
「うん、なんていうかつかれた」
「なあに? ランチして疲れたってどういうことなの?」
苦笑しながら紅茶をいれてくれる。
幸宏さんの好きな蜂蜜入れちゃった、なんて言いながら。
「ありがとう。あのね、向こうも子供に確認してくれることになった。それから謝るってさ」
「そっかー。まあ、子供同士だしね。いろいろあるわよ」
「うん、でも……なんか……噛み合わないなあって感じがして気疲れしちゃった」
「ママ友なんてそんなもんよね。子供がいるから仲良くやってるようなもんでさ」
「うーん……そんな感じじゃないんだけど……いつもいるメンバーが欠けてたから、なんか調子狂っちゃったのよ」
「二人でいて気を遣うんだったら真の友達じゃないでしょ? ママ友なんかに期待しない方がいいわよ?」
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