一章 騎士の覚悟

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◆◆◆◆◆ 『本当にお前は遺跡が好きだなぁ』 と団長は呆れた様に言って笑った。 『村の外れにある、ちょっとした地下遺跡だって? 言われてみれば確かにあったような気もするな。 まぁ、時間までに戻って来れるなら探索に行ってもいいぞ』 『ヘンな呪いとか持ち帰ってくんなよ』 騎士の一人が茶化して言うと、違いない、と近くで聞いていた他の騎士たちが笑う。 ──その騎士たちが、暗闇の中で離れてゆく。 待ってくれ、と手を伸ばすが、届かない。 置いていかないでくれ……一人にしないでくれ…… もう遺跡を見に行きたいなどと、我儘を言ったりしないから──。
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