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カレーは二日目が美味いって?
本当に誰が言いだしたのだろう?二日目のカレーが美味いというのは。いかに馬鹿舌の私といえどもこれについては「単なる好みの問題」とは看過できない。
たとえそれが市販のカレールーで作ったカレーであったとしても、カレーというのは作った当日がいちばん美味いに決まっているのだ。二日目のカレーは香りの鮮烈さを失い味ももったりと鈍重になる。絶対に作り立てより美味いわけがない。
では本場のインドカレーならどうだろう?
旅行人の「アジア・カレー大全」という本の中の南インド料理「ケララバワン」店主のサッシーさんへのインタビューで、まさにこの質問があったが、サッシーさんも「二日目のカレーは味が落ちる」と完全に否定していた。
少なくともインドで「カレーは二日目の方が美味い」なんて言う人は居ないそうである。
日本のカレー専門店でも同様で、「熟成」を売りにしたカレー店が美味かった試しはほとんど無い。ほとんどというのは例外を一軒だけ知っているからだが、その店はかなり特殊な部類に入る。普通のカレーは熟成なんかしたら味も香りも落ちて、ただ鈍重になるだけである。
しかしなぜこれほど「カレーは二日目の方が美味い」説が広まったのかが解せないので、サンプルは少ないのだがFacebookを利用してリサーチしてみた。おかげで少し謎が解けたかもしれない。
「二日目のカレーが美味い」と主張する人の多くは「初日のカレーより二日目の方が具材が柔らかくなって美味しい」と答えたのだ。
なんのことはない。
ようするに彼らの初日のカレーは煮込み足りない出来損ないということだ。だから二日目になってようやく具材が良く煮えて初日よりは美味しくなる。
つまり初日のカレーが不味いから、二日目の方がマシになっただけなのだ。
そういう人にアドバイスするなら、肉と野菜は十分柔らかくなるまで、カレールーを加えずに煮込むと良い。この煮込みの段階ならば、別に二日目になっても構わない。ただしルーを投入したならば、できるだけその日のうちに食べた方が美味しいぞ。
しかしどうしても余ってしまって翌日以降に食べるのであれば、温めるときに少し水で薄めて、そこにカレー粉とクミンを少々加えると香りの鮮烈さが甦るのでお試しいただきたい。
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