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僕の食事の時間は決まっていない。
何日もにおいがしないこともあれば、一日に何度もすることもある。
人が死ぬ理由について僕は深く考えたりしない。どんなものであれ、自ら命を絶った人たちの多くはきっと、生きることに苦を感じていたんだと思う。僕自身、こんな体でも自分で自分を殺そうと思いついたことすらないから、人間という生きものは考え過ぎる癖があるんだろう。生きる事に真面目過ぎて感じるものが多いから、きっと自ら終わらせてしまう事もあるんだ。
* * *
日陰が冷える昼下がり。
突然僕の鼻孔をにおいが擽った。
食事の時間だ。
二日前に沢山食べたからお腹はそこまですいていないが、少し考えて結局僕は向かうことにした。
今日は一体どんな肉にありつけるんだろう。
固い?柔らかい?
脂が少ない?多い?
肉によれば、アルコールのきついものや内臓が腐りかけのものなど様々だが、出来れば健康な体がいいななど、またしても口腔が唾液で満たされながら僕はそこに駆けて行った。
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