ヒトクイ

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 が、数日後。同じ時間帯のあの場所で再びにおいがし、まさかと思った僕の予想は的中した。    そこにいたのはあの彼女だった。  木の陰で見ていた僕に気づいた彼女が声をかけてきたので姿を現すと、彼女は柔らかい微笑みを見せた。  「ここに来ればアンタに会えると思ってさ。本当にいたから正直びっくり。ほんと好きなんだね、この場所。」  そう言えば心霊マニアとして認識されていたことを思い出した僕は、彼女の側まで行って頷く。  笑っている彼女からはもう、少しもにおいがしなかった。    不自由もはっきりした理由もなく死のうとするのは変らしいと、突然彼女は言った。  多分そんな「理由」で初めここに来た彼女は、死ぬのはだめと言われたり他と比べられたりする事に疲れたと息を吐いた。  そう心の内を話す彼女も、笑う事だけは忘れなかった。  彼女は自分を誤魔化すように、蒼い色を纏っていても笑う。苦しい顔を一切見せない彼女から死のにおいがする事に、僕はずっと違和感を覚えていた。
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