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あとがき
この度は【Brad Barred】を読んで下さり、ありがとうございます。
本作品は、一般的なファンタジー小説ではヴィラン(悪)の立ち位置として現れるキャラクターにフォーカスして描きました。
1番書きたかったのは、アルフとユンナが共に堕ちていくシーンです。
今までは、ハッピーエンドやバッドエンドは書いてきたものの、前向きな気持ちで闇に堕ちていくヒロインとヒーローは書いたことがないなぁと思い、このようなエンディングを用意しました。
あと、ヒロインのユンナに関してですが、彼女はエンディングに近づくにつれて外装が剥がれどんどん人格が変わっていっています。
どんな時もオズワルドに王を付けて呼んでいたのに、終盤ではオズワルド、クソ野郎、最後にはベッド横で死んでいるオズワルド王のことを"豚"と呼んでいます。こわい。
それくらい彼女自身にとって、憎んでも憎み足りない相手だったのでしょうね。
アルフの過去に関しては、ダークヒーローに転じるには壮絶な背景が無ければと考え、人情溢れる主君を殺されてしまうという経緯を描きました。
ミア王妃やフェリル王に出会わなければ、彼は今ごろフラフラと気ままに生きていたのだろうと思います。
フェリル王に"渡り鳥"のようだと称賛されていましたが、作中の表記では徐々に猛禽類の表現が多くなっていきます。
アルフもまた、ヒロインのユンナと同じように人格が変わっていってしまったわけです。
P.55で、ユンナが「屍を突くカラスに夢を見ているのだろうか」と呟いていますが、このカラスこそ反逆者となったアルフの姿を重ねています。
そして、復讐を果たしたアルフとユンナの運命は……締め括りの言葉にあるように、幸せなものではないでしょうね。
それでも彼らは、自身の心に従って前に進み続けるのだろうと思います。
ではでは、ここまで読んで頂き誠にありがとうございました!
他作品もよろしくお願い致します。
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