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着替えると、下野は先に帰って行った。
俺も更衣室を出てすぐ左に目をやると、女子更衣室という文字が目に入る。
麗先輩はそこに居るのか?
そもそも、まだ他の先輩たちは片付けていたのに……あれ?また麗先輩もそっちに戻ってるのか?
それなら体育館……思っていると、さっき歩いてきた体育館の方からガヤガヤ声がしてきてさっき見た気がする先輩たちが姿を見せた。
「あ!コタ!お前もトモも上手かったな!めっちゃ楽しかった!また明日も待ってるな!」
3人居る中の1番小さな先輩がにこにこ笑う。
返答に困って頭を下げると、その先輩がポンと俺の背中を叩いてきた。
「あ、麗先輩待ってるのか?マネは着替えてから顧問のとこに話に行くから……シュウ、どうしたらいいと思う?」
「はぁ?鍵持って先行ってんだからそろそろ……ほら、出て来た」
小さなその先輩に声を掛けられたシュウ先輩は女子更衣室の方を見て指をさす。
「あ、麗先輩!長谷くん、待ってますよ!」
先に出て来た美音先輩が振り返って姿を見せた麗先輩。
「あ!よかったぁ!コタくんちょっと待っててくれる?」
走ってきた麗先輩はにっこり笑って俺の手を握るから、俺はただこくりと頷くことしかできなかった。
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