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入学
「マジで受かるとか……バケモンか?」
共に改札をくぐりながら見上げられても、俺はそんなのは無視をしてただ前を向く。
去年の春、啓南のベンチに居た彼女に会いたい一心で勉強に励み……バスケもうまいあの学校でがっかりされないようにバスケも夏の引退までは今までにないくらい集中して練習もした!
お陰で最後の大会は準優勝。
それなりの結果をもぎ取って、下野なんかはかなり騒いでいた。
そんな下野たちを横目で見ながら俺はもう次!って単語帳を開いていたけど。
受験まではただひたすらに勉強して……塾に通わせてもらいながら学校では同じクラスでもある下野をひっ捕まえてとにかく勉強漬けになった。
「あのさぁ……そこまで啓南に拘るのって何?」
何度聞かれてもそれは答えなかった(正確には答えられなかった)が、受験を終えた日からは下野を連れ出して今度はバスケに明け暮れた。
彼女と同じバスケ部で同じ時間を過ごせたら……。
「あの凄ぇ先輩たちとバスケできるかなぁ?」
「同じ高校に入ったんだからできるだろう?」
何を当たり前のことを……と思ったら、
「いや、あれは春の大会だったから3年生だったらもう卒業してんじゃん」
「え?」
「ん?どーした?」
そんなこと思いもしなかった俺は頭の中が一瞬で真っ白になってしまった。
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