真実と決意(2)

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 何度もそう言おうとした。  でも、なぜかそれを口にできなかった。  言ったところで、どうなるというのか?  孝之がそれを認めようが認めまいが、結果は最悪にしかならない。  この数日、頭の中はずっとそればかりだった。  仮に、それを問い詰めたとして、開き直った孝之は、私と別れて佳奈江を選ぶだろうか?  ……いや、絶対にそれだけはさせたくない。  もしも、あのブレンドティーのことを言ったら……私を殺そうとした佳奈江を孝之はどう思うだろうか?  ……ダメだ。  それですべてを終わらせるには、何かが足りない。  昼下がりに琥珀色に染まっていくティーポットを見つめ、できあがったホットティーを口にすると、少しだけ気分が落ち着いてくる。  冷静になってよく考えてみると、孝之が選んだのは佳奈江ではなく、この私だった。    悪夢が見せた結婚式で、ライスシャワーの米を握り締めていた佳奈江は、心から私達を祝福しているようには見えなかった。  そう、あの時点で、私は佳奈江に勝っていた。  孝之が選んだのは佳奈江ではなく、この私。  佳奈江の悔しそうな顔を思い出すと、私は二人にささやかな復讐を誓った。
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