おみくじの導き

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おみくじの導き

「よし!私はこれっと!」 元日定番の初詣に来た私達家族は、お参りの後に1人ずつおみくじを引いていった。 最近はおみくじにも沢山種類があるけれど、私はだいたい100円で引けるシンプルな物を引く。 大きな神社だと巫女さんが…なんて場合もあるけれど、私はクジ引きの様に自ら引くタイプしか引いたことがなかったり。 「ねぇねぇ、何だった?」 好奇心旺盛で年齢の割には甘えたがりな11歳の次男が早速私に聞いてきた。 「ん?ママはねー…」 「中吉」 中吉か。まぁまぁな結果でよかった。なんて思いながらおみくじに書かれている項目毎の言葉を読み進めていた。 【夫婦 夫との関係に注意せよ 】 ああ… これは… 心臓の鼓動が早くなっていくのを感じた。思わず笑ってしまった。 正樹、何かあるんだね? 「何かある」。この言葉が頭から離れていかない。 あの人の背中を後ろから見ながら、 子ども達と楽しげに会話する姿を他人事の様に眺めながら私だけが違う空気を纏っていくーーー。
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