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~~~♪
電話の着信音が鳴り響いた。
咲からだ。あんなLINEを送ってしまったのだから気になって当然だ。
「はい」
『ちょっと亜美~!ビックリしちゃったよ!どういう心境の変化!?』
「…旦那がね、嘘ついてたの。あの子の連絡先、消して無かった…」
私の声がきっと物語っている。
失望も、悔しさも、虚しさも…。
『はぁ!?何それ!さすがにそれは無いね!亜美がまたスマホを覗いてバレたって事?旦那さんはバレなきゃ消さなかったかもなの?』
「うん…覗いたんじゃなくて、偶然見ただけなんだけど…たぶん…そうだと思う。私さ、分かんなくなっちゃったんだ。旦那の気持ち。それで知りたくなったの。旦那以外の人を思う気持ち…」
矛盾を抱えたままの言葉がスマホに向かって冷たく響く。
『…バカだね。旦那さんは。亜美は旦那さんの事愛してるからこんなに傷ついて苦しんでるのに、自分の事しか考えられなかったんだ。
いいと思うよ?でもね亜美、旦那さんみたいに溺れちゃダメだよ。
割り切らないとダメ』
「うん…」
『真面目な人程のめり込むんだよ。そういうのって。分かるよね?旦那さんがそうだったから。だから亜美も気を付けなよ?』
「そう…だね。ありがとう。咲にまた助けて貰っちゃった。話を聞いて貰って少し肩の荷が下りたよ」
『どういたしまして。言ったでしょ?いつでも頼ってねって。咲は亜美の味方だからって。亜美がまた心から笑えるようになって欲しいよ』
「咲…ありがとう…本当に…」
『えー!?泣いてる?亜美ってば涙もろ過ぎるよ!あんまり泣いちゃダメだよー!また一緒に沢山笑って話そ♡』
「うん…」
また心から笑いたい。
何も考えずに、思いのままに…。
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