届かぬ思い

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届かぬ思い

久しぶりの飲み会。本当はそんな気分じゃなかった。 元々社交的な場が好きな訳ではないし、特別酒が好きな訳でもない。 だからいつだって会社の飲み会は俺にとって「逃げられるなら逃げたい場」だ。 (酒に溺れたくても溺れる事も出来なかったか…中途半端な奴だよ…俺は) 勧められるまま酒を飲んで、何もかも流されていってしまえばいいのにと思った。普段は飲まない様な強い酒を流し込み、気分がいいフリをして笑った。そうする事で重苦しくなった心と体から解放されるならそれで良かった。 酒の力を借りて自分に酔う事が出来るのならそれでいい…と。 だけど亜美の顔を見た時に酔いなんか全部覚めてしまったんだ。 惨めな俺を受け入れて、ただ寄り添って欲しくて…。 亜美は俺を拒絶した。 連絡先を消した日から亜美は俺を受け入れようとはしない。 消してしまえば全てが終わるんじゃないかと安易に考えていたのが間違いだった。
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