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既婚者である事だけは隠してのやり取り。相手がどうかは…分からない。 だけどタツヤ君は相変わらず深く関わろうとはしてこなかったし、私も必要以上にタツヤ君を探ろうとはしなかった。 知るのが怖いから…? それもあったかもしれない。 相手を深く知れば知るほどにきっとハマっていってしまう。深みに…。 それに「もっと知りたい」という気持ちが止まらなくなってしまったら、それは…。 【やっと仕事が一段落ついたよ…なんか疲れたー。でもマコちゃんとのやり取りが癒し。ずっと話していたくなる。】 「え…」 どんな表情をしながらこの文字を打っているの…? どんな思いであなたは…。 私の目に映るのは機械的で温かみの無い文字だけだ。 だけどそんな文字にも感じ取れる感情がそこにはあって、それを打つあなたの表情を、心を思い描いた瞬間から文字に温かさを感じる不思議…。 そして私の感情が激しく揺さぶられた。凪の海に風が吹いて波が打ち寄せていくように。
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