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いつもと同じ夜なのにいつもとは違う夜。
静寂に溶ける亜美の横顔に寂しさとは違う色気を感じて理由もなく惹かれる。
すっ…
心と体が直結して気付いた時にはそっと亜美を抱きしめていた。
「亜美…」
吐息の様に漏れた言葉と反応する男の性。
「…ごめん。そんな気分にはなれない」
腕の中からゆっくりと抜け出して離れた場所で背を向ける亜美の姿に打ちのめされてしまいそうになった。
何て答えたらいいのか分からずに思いは言葉に出来なかった。
重くなった空気に押しつぶされそうになる…。
ぼんやりと灯るオレンジ色の小玉電球の灯りが滲んで見えた気がした。
(因果応報…か…)
因果応報。
今の俺にはこの言葉がよく似合う。
自分の愚行への報いを受けているだけなのだから―――。
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