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ブラシで何度も梳かして整えられた少し明るいブラウン色のセミロングの髪の毛、自然なオークルの肌にさしたほんのりオレンジ色のチーク、品のあるブラウンのアイシャドウ。
華やかさは無いけれど顔に馴染むナチュラルメイクが好き。
【これが私だよ。美人さんじゃなくてごめんね。加工アプリ無しでそのままの顔です笑】
美魔女にはなれないし若く見える様な童顔でもない。きっと年相応な普通の35歳だけれど、それでもいいと言って貰えたらいいな…。
響く通知音と、高鳴る鼓動。
恐る恐るタップした画面にの先にあったのはタツヤ君の姿だった。
キリッとしたシャープな顔立ち、ツーブロックの程良い長さで整えられた黒髪、スタイリッシュな眼鏡を掛けた今で言う塩顔系男子だ。
【俺はこんな感じ。ガッカリさせたらごめん笑 マコちゃんはイメージ通りだったかも。ナチュラルメイクで落ち着いた雰囲気で…年齢より若く見えるし可愛い系だね。俺は派手な感じの子は苦手だからマコちゃんみたいな子がいい。】
ぐっと近くなる距離と女心をくすぐる言葉に自然と顔が熱を帯びていく。
嘘でもお世辞でも褒め言葉はいつだって乙女心に火を着ける。
それにタツヤ君の言葉は着飾っている感じがしなくて、嘘っぽくないのがまた私の心を掴んで離さなかった。
(タツヤ君…こんな感じだったんだ…私もイメージ通りかも…正樹とは対照的なタイプだ…)
正樹の顔立ちは割としっかりとしていて濃い目である。タツヤ君と同じく眼鏡を掛けているのだけれど全く違う雰囲気だ。
【お世辞でもそんな風に言って貰えて凄く嬉しい。タツヤ君は眼鏡が似合っていてシャープな顔立ちで凄く素敵だね。私、眼鏡を掛けてる人って好きなんだ。】
好き…つい勢いで書いてしまったけれど恥ずかしくなってしまった。
直接的に好きと言っている訳ではないけれど…。
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