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お互いの顔を知るとこんなにも現実味が増すものなんだ。 文字だけのやり取り、声だけのやり取り、その時は「想像の世界」で繋がっている。 この人はこんな人かな? どんな顔をしているんだろう…? そんな風に頭の中で相手の姿や性格を思い描きながら繋がっている曖昧な存在。 だけど相手の姿を「現実の世界」で見た時、明瞭な存在へと変わっていくものなんだ…。 【あはは。俺、そんな風に言って貰えたら調子に乗っちゃうじゃん。素直に嬉しい。何だか変な感じだよな。お互いの顔が見えると一気に距離が縮まるっていうか…それに…会いたい気持ちが強くなった。マコちゃんの事ばかり考えちゃうよ。】 (ズルいな…タツヤ君は…) 目眩がするような甘い言葉に酔ってしまいそうだ。 磁石みたいな彼という存在に惹かれてその引力に逆らえなくなる。 心が…離れられなくなる…。 年甲斐も無く浮かれてしまう自分に少しの恥じらいを感じるけれど嫌ではない。不快では…ない。 【そうだね…ありがとう。私も…約束の日を楽しみにしてるね。】 唐突に始まって幕を開けた二人の関係が、先のない未来へとスピードを上げて進んで行く。
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