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にたにたと笑うケイシーにランが反論した。
イデエエェーッ!
僕が、よすんだ、と彼女に言おうとしたら再びマックスに思い切り足を踏まれた。どうしてだよう? ケイシーはグロック17の拳銃を持ってるんだぞ! 心の中で叫ぶ。するとマックスが自分の左手首を見た。あれ? 腕時計を2つ着けてる。反論されたケイシーは、
「新聞配達したり、適当にバイトでもしてろよ。大体、ゲーム機を渡したのはルーだぜ」
「脅して取り上げた癖に偉そうなこと言わないでよ。このジェームズ・ディーンのなり損ない!」
ランが言い返すと、ここからランとケイシーの言い争いが始まる。
「うるせえッ! ガキの癖に!」
「あなたこそガキじゃない。ミドルスクールに入ったら酒も煙草もOKだと思っているの? 成人になるのは18歳からって知ってる?」
「うるせえんだよッ! 大体─」
「うるせえ、うるせえって、凄い言ってるけど他に何か言えないわけ? 語彙力がないと同じ言葉しか言えないらしいわよ」
「うっせえ─」
「また言った。こんな子供、先生も親も苦労するよねえ」
ケイシーの眉間に見たことがないくらい堀の深い皺が出来ている。ヤバいッて─。
カチッ。
何か音がした。ケイシーのテーブルの下をよく見ると、黒い銃口が僕達に向いている。スコットもジョニーも今の音でケイシーが何をしたのか理解したようだった。スコットが、
「なあ、ケイシー。落ち着けって─」
「すっこんでろ」
そう言ってケイシーはテーブルの上に拳銃を出した。
「あなた、つくづく卑怯─」
流石にマックスもランの口を塞いだ。どう見ても脅しじゃないもん。
「分かったよ、ケイシー。言う通りにするよ。だけど、小学生が毎月500ドルを払っていくなんて現実的じゃない。もう少し妥協してくれないか?」
マックスが言うと、ケイシーはテーブルの下から拳銃を構えて、
「なら、テーブルの上に今持ってる金目のものを全部出せ!」
僕は直ぐにズボンのポケットから財布を出した。マックスも言われた通りに財布を出す。ランはマックスに耳打ちされると、嫌そうな表情で財布を出した。僕達3人の財布をマックスがテーブルの上に置く。
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