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3.後日談:マックス・アフレック
「なあ、ラン。お前のフルネーム、ラン・シマザキだよな? 俺は日本人の名前を覚えるのが苦手なんだ。ケン・ワタナベは覚えてる。トム・クルーズやレオナルド・ディカプリオと一緒に映画で共演してたからな。でも、日本人の俳優はジャッキー・チェンやジェット・リーとかの中国人の俳優と比べたら─」
「それより、昨日の作戦についてあたし達に説明して」
隣に座るランが言った。その隣には自転車を盗まれて機嫌が悪いルーが座っている。ここはルーの家のリビングだ。正面のテレビと向き合いながら3人でソファーに座っている。俺は話しを始めた。
「まず4日前にルーが俺とランに泣き付いたのは覚えてるな? 話を聴いた俺は大切なダチのためにゲーム機を取り戻す作戦を一晩中考えてやった」
「話を聴いてもらうだけで良かったのに─」
「うるせえッ!」
口を挟んだルーに怒鳴った。
「次の日にはハートマンの店に行ったんだ」
「レオナルド・ハートマン?」
ランが訊ねてくる。ハートマンは地元じゃ有名な変人かつ狂人で、昔はアメリカ海兵隊に所属していたらしい。戦争で左目を失って名誉除隊している。
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