急に態度が変わるゴミ。

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急に態度が変わるゴミ。

「…そんなつもりは…。」 「左様でございますか…。てっきり、私の存在はお邪魔かと。」 別に皮肉でも何でも無い、素直な気持ちなので、他意は無いぞ~とにっこり笑ってやると、兄とゴミ殿下が一緒に驚愕する。…失礼じゃない? 「…お前、笑えたのか…。」 「……。」 マジで失礼だなゴミカス殿下。 取り敢えず、立ったままなのがダルくてソファに掛けたが、失敗だっただろうか。 兄の専属メイドに茶を煎れられてしまった。 …仕方ない、これだけ飲む間に話をつけるか。 「…邪魔だなどと…今迄、そんな事は言わなかったじゃないか。」 …何故微妙にニヤけているんだクソ殿下。まさか俺は誤解されているのか。 さっきの素直な気持ちの笑顔では通用しなかったのか。 全くこのタイプってポジティブだよな。 仕方ない。釘を刺しておくか。 「ああ、大丈夫です。嫉妬の類ではございません。殿下はそのままお好きになされてよろしいのです。 私との婚約を、無かった事にさえしていただければ、それで。」 「……ダメだ。」 「…あン?」 いかん、つい勢いで心の声がそのまま出てしまった。 兄が、あちゃ~って顔してるわ…。 「いや殿下…、殿下の周りにはあんなに綺麗どころがお揃いですし、その中からお選びになっては如何でしょうかね?」 特に、今日お侍りやがってたあの三男坊とかね? 臍を曲げられては上手くいくものも行かなくなるので、出来るだけ穏やかに提案してみる。が… 「あんな連中…」 と、吐き捨てるように仰る殿下。 そのあんなのを、アンタ囲って遊んでもらってんでしょーが。 本当、傲岸不遜に育ったっつーか、人を人とも思ってねーっつか。 こんなんがその内、皇位に就くんか~…。大丈夫かこの国は。こんな皇帝、やだな。 今の内に他国に移住しちゃおっかなあ。 もっと温暖な国とかにさあ。 殿下の態度に若干引いていると、何を思ったか立ち上がって此方に来る。 反射的に立ち上がりかけたのを、両手で肩を押さえられて力づくで座らされた。 くそ…体格良いから力あるわ…。 その横に自分も腰を下ろしたクソ殿下。 まじまじと俺の顔を見て、頭から服、爪先迄じっくり観察される。 そして、口を開いたかと思いきや、 「お前…やっぱり、雪、だよなあ…。」 と、妙な確認をされた。 「左様ですが、何か?」 俺以外の誰に見えると言うのか。 「雪、お前さ」 「何でございましょうか。」 「そういう格好だと、色っぽいな…。」 「………。」 ちょっと仰ってる事がよくわかりませんね…。 思わず頬を引き攣らせてしまった俺の肩を抱き、俺の手に自分の手を覆うように重ねて、クソ殿下が耳元で囁いた。 ーーストイックというか、すごくそそられる…。ーー 気色悪さに ぞわっ、と背筋に悪寒が走った。 やっぱり此奴には話が通じない。
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