始話 ラザの大皿

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 指を滑らせたとたんパリンと床に当たり、粉々になってしまったのだ、私は国王に詫びを入れに行く事に決めた。国王の元へたどり着くと。 「王様。私がラザの大皿を割ってしまったのです、誠に申し訳ありません」  国王は残念そうに。 「それはつまり、もうラザの大皿で食べる事が出来ないのか?」 「はい、残念ながらラザの大皿に予備はありません」  国王はがっくり肩を落として。 「なんと言う事だ、愛しのラザの大皿を割ってしまうなんて所詮皿、されど皿。ありがとうラザの鷲の紋の大皿よ、では代わりの鷲の紋の大皿を見つけて来るのだ」 「はっ、でも王様。細々とした仕事は?」  国王は。 「時間を作ってあたれ。大臣よ、そなたが割ったのであろう、本来ならばわしが、お気に入りの皿を見つけに行く、時間はあるのかな?」  え? 王様だって仕事が満載だろうに、そして割ったのは私の責任、何がなんでも時間を作って、私が探しに行かねば面目ない。 「解りました王様、ここはひとつ、私めにその役を受けさせて下さい」  国王は。 「わかった、では任せるぞ」  とは言え皿ひとつ、されど皿ひとつ、国王も喜ぶ一品を見つけるのは大変だろう。まず、現在の皿職人に連絡してと。  私は幾名の人材を使って、皿職人のお宅を調べさせる。私は大臣であーる、大臣と言うのは人を使ってナンボ、いやいや、私ひとりでは到底大した力はないだから、部下を回してナンボなのだ。知恵よ回れ。
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