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「逃したか……」
神殿の影で、1人の青年が唇を噛んだ。その様子を見た悪霊が、青年を鼻で笑う。
「フン!所詮お前はこの程度だ。オレに魂を売ってまで叶えたい望みがある……その強欲さは認めるが、それ以外は虫けら程度だな」
「っ……今に見ていろ。必ず99個の魂を集めて、お前に願いを叶えさせてやる」
「はは!できるもんならな!!」
悪霊はそう笑うと、姿を消した。1人取り残された青年は、身につけていたネックレスをギュッと握りしめて呟く。
「願いを叶えるために……あの子を救い出すために、僕は何だってしてやるんだ」
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