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2 死者の国オラシオン
気がつくと、聖夜達は美しい城の中に居た。
豪華なレッドカーペットが続く先には玉座があり、そこに座っていたのは聖夜達と年の変わらない少女だった。
「聖夜……!」
「翔太!みんなも!」
神殿に置いてきてしまった仲間との再会を喜ぶのも束の間、玉座にいる少女の声で、辺りは静まり返った。
「異世界の戦士達よ、よく集まってくれました」
「異世界……俺達のこと?」
聖夜の問いに、少女は頷いた。
「申し遅れました。私はルーナ。死者の国オラシオンを治める女王です」
「し、死者の国!?」
アヤカの顔が恐怖で真っ青になった。
「じゃあ、あなたも幽霊ってこと……?」
「ええ。平たく言えばそうですが……私達は普段、魂だけで生活しているのです。善き魂はあなた達に襲いかかった悪霊とは別物ですから……怖がらなくていいですよ」
「そ、そうなんだ……」
ルーナの微笑みを見て、アヤカは少しだけ安心した表情を浮かべた。
「それで、女王様はどうして私達を呼び出したのですか?」
シエが問いかけると、ルーナは真剣な顔に戻って答える。
「それは……オラシオンを救ってほしいからです」
「オラシオンを救う……?」
「はい。今、オラシオンでは魂消失事件が多発しています。姿を消した魂は98人……しかも、危険な悪霊まで復活してしまっていて……」
「えっと……つまり、魂消失事件の犯人と、危険な悪霊を捕まえればいいのですね?」
「そういうことです」
シエの要約に、ルーナは頷いた。
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