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「国民の中には、魂を喰う悪霊が復活したのではないかと噂する者もいます……」
「そんなはずはないわ……!だって、アレは城の地下に封印されているのだから……」
そうは言いつつも、ルーナの胸に不安がよぎる。
(……もし、封印が解かれていたら?)
「……私、確認してくる。サイラスもついてきて」
「……分かりました」
2人は連れだって、城の地下へ向かう。地下への道は暗く、かび臭い。それに堪えながら、ようやく地下室へ到達した。
「え……?」
そこに広がっていたのは信じられない光景だった。
……封印の魔方陣が掻き消されているたのだ。
「嘘……でしょ?」
魔方陣の中で眠っていた悪霊の姿も無い。
(……まさか、本当に封印が破られていたなんて)
「女王様……」
「……ええ。分かってる」
ルーナは、祈るように手を握って、目を閉じた。
「祈りましょう。国のために。祈りましょう。異世界の戦士達に……」
ルーナがそう言うと、彼女のネックレスが輝きだした。
「……神様、どうか彼らをお導き下さい。私達の元へ……!」
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