プロローグ

2/2
前へ
/56ページ
次へ
「国民の中には、魂を喰う悪霊が復活したのではないかと噂する者もいます……」 「そんなはずはないわ……!だって、アレは城の地下に封印されているのだから……」  そうは言いつつも、ルーナの胸に不安がよぎる。 (……もし、封印が解かれていたら?) 「……私、確認してくる。サイラスもついてきて」 「……分かりました」  2人は連れだって、城の地下へ向かう。地下への道は暗く、かび臭い。それに堪えながら、ようやく地下室へ到達した。 「え……?」  そこに広がっていたのは信じられない光景だった。  ……封印の魔方陣が掻き消されているたのだ。 「嘘……でしょ?」  魔方陣の中で眠っていた悪霊の姿も無い。 (……まさか、本当に封印が破られていたなんて) 「女王様……」 「……ええ。分かってる」  ルーナは、祈るように手を握って、目を閉じた。 「祈りましょう。国のために。祈りましょう。異世界の戦士達に……」  ルーナがそう言うと、彼女のネックレスが輝きだした。 「……神様、どうか彼らをお導き下さい。私達の元へ……!」
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加