4 祈りの祭り

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「竜也、誰のこと思い浮かべた?」 「俺は……親友のこと、かな」  竜也は海を眺めながら答えた。 「……そういえば、2人と出会ったのも海だった。何か俺、海と縁があるのかな」  竜也にとって海は、命を捨てようとした場所であり、のちの親友に救われた場所でもある。辛い記憶に寄り添うように、温かな思い出が確かに存在していた。 「……なんだかんだ言って、海は結構思い出深い場所かも」 「そっか」  聖夜は竜也を見て微笑み、海に目を向けた。 「……俺はさ、俺を育ててくれたおばさん達のこと……それから、ここには居ない特部の仲間のことを考えたよ」 「育ててくれた……?」  聖夜の発言に違和感を覚えた竜也が、聖夜に聞き返した。 「うん。俺、訳あって両親が居なくてさ。母さんは病気で死んじゃって、父さんは行方不明で……」 「……なんか、ごめん」 「あ、いやいや!いいよ!育ててくれた家の人は親切だったし、特部の仲間にも囲まれてるし、俺、今幸せだよ」 「……幸せ、か」
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