4 祈りの祭り

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「とにかく、竜也は幸せになれるから!どんなに辛いことがあっても、ちゃんと笑顔になれる。俺が保障するよ」 「あー……ありがとね」  聖夜の真っ直ぐな言葉が照れくさくて、竜也は少し頬を掻いた。 「うん!だから、仲間を大事にな!元の世界に戻っても、俺が言ったこと忘れないでくれよ?」 「……分かった。忘れないよ」  竜也が頷いたのを見て、聖夜は明るく笑った。  そうしていると、シエと柊がランタンを手に竜也達の隣へ歩み寄ってきた。 「ランタン、綺麗ですね」  シエがそう言いながらランタンを流す。その傍らで、柊もランタンを海に放っていた。 「そうだね!こんなに綺麗な景色、元の世界のみんなにも見せたかったな」 「オラシオンの人々の祈り……届いてるといいですね。ね、竜也さん?」 「……うん。そうだね」 「柊、他の人達は……?」  聖夜が尋ねると、柊は屋台の方を指差した。 「あっちに居るよ。屋台見て回ってるみたい」 「そっか……ランタン流したし、俺達も行かないか?」  聖夜の誘いに、その場に居た全員が頷く。 「それじゃ、行こうか!」  4人は屋台の方に歩いて行った。
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